エンジンブレーキについてちょっと考えてみた。
通常、車やバイクは、ブレーキパッドでディスクを挟むことで、タイヤに制動力を与えることで止まる。このとき、制動力は、ブレーキパッド→タイヤ→路面と伝わる。
これに対し、エンジンブレーキはエンジン自体の抵抗でタイヤを止めようとする。制動力の伝達は、エンジン→ミッション→車軸やチェーン→タイヤ→路面となる。
タイヤを普通のディスクブレーキで止めれば、負荷は、ブレーキパッドとタイヤで完結する。これがエンジンブレーキだと、エンジンからタイヤまでブレーキ負荷が掛かることになる。
結論から言ってしまえば、ブレーキパッド交換と、エンジン内部の部品交換を比較すると、ブレーキパッド交換の方が圧倒的に楽でお金もかからない。
エンジンブレーキを使うと、エンジン自体から発生するトルクより、大きなトルクがエンジンに掛かることがある。結果、クラッチディスクや、チェーンに負荷が掛かり消耗が激しくなる。最終的な制動力はタイヤを介して地面に伝えるので、タイヤのグリップ限界がブレーキの限界となる。普通のブレーキとエンジンブレーキを併用しても、ディスクブレーキだけでタイヤロック(ABS車両はABS作動)に達するなら、ブレーキの効果は何も変わらない。
つまり、ディスクブレーキだけでタイヤロックするなら、エンジンブレーキなんか使わない方が良いということである。
では、どういう場合にエンジンブレーキは使うべきかというと、ブレーキが正常に機能しないことが想定される場所を走る場合だ。具体的には、長い急な下り坂を降りる場合はディスクブレーキを多用しすぎると、ブレーキオイルが沸騰してしまいブレーキが利かなくなる(いわゆるベーパーロック)。このような場合は、エンジンブレーキを使い、タイヤに加える制動力を分散させる必要がある。
因みに、何でこんな記事を書いたかというと、何も考えずにエンジンブレーキでバイクの減速しまくてってたら、チェーンがダルダルに伸びて高い交換費用を払うことになったからだったりする。。。orz
ご利用は計画的に・・・
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